めいちゃん

めいちゃんの話をさせてください。めいちゃんは、9月で11歳になる予定だったミニチュアダックスフンドです。11年前、わたしが高校生だった頃、お家にやってきました。ちょうどのその頃、妹が闘病中で、母も付き添いが多く、家に私ひとりでいることが多かったので、 「誰か子犬を飼ってくれないか」という知り合いの声に手を挙げたのでした。そう、寂しさをね、和らげようと、めいちゃんを飼ったのです。

めいちゃんの名前は私がつけました。ジブリのトトロから。語呂がよかったので。めいちゃん。お家にやってきたときは、とっても小さくてちいさくて。ひとりにすると、すぐ吠える子だった。お風呂に入ったり、トイレで席をはずすとすぐ吠えました。寝るときもケージで寝かせるはずだったのに、すぐ吠えるから、一緒に寝ることにしました。それ以来、毎晩、めいちゃんとはベッドで眠りました。冬はあったかいけれど、夏はあついのね。時々夢でうなされると、めいちゃんがお腹に乗って寝ていたこともあった。

めいちゃんはとても元気で、「お散歩」というと飛び跳ねて、ときどき家を脱走しては、近所を「めいちゃ〜〜〜ん、帰ってきて〜〜」と叫びながら走り回るということもありました。

家に帰ると、いちばんに喜んでくれました。体全部で喜びを表してくれた。

砂肝とささみが大好きだった、あとみかんも。

よく一緒に寝ました。

だから、昨日の、夜も、わたしが先に眠っていたけれど、夜中物音がしてふと起きたら、ベッドの下にこちらの顔を見ながら、いました。だから一緒に眠りました。きてくれたのね、最後に。

ここ2、3日体調が良くなくて、でも、最後に力を振り絞ってきてくれたのね。

寝ようね、と言っても寝てくれなくて、でも横にくっついて。それが最後になりました。最後は、母の元にも頑張って、いって、そのまま。

むかし読んだ絵本に「愛してる」ってたくさん言ってたから後悔ないよ、って、それを読んで以来、ずっと「大好き」だと伝えて、後悔ないようにしてきたつもりだけど、それでも、それでももっと何かできたんじゃないかって悲しい。悲しい。

書くか迷ったけれど、書いたら、すこしはスッキリするんじゃないかって。涙とまるんじゃないか、って。めいちゃん、すごくかわいくて、美人さんだったんだ。すごく大切な相棒だったんだ。

めいちゃん、大好きよ。だいすき。いつか天国で会えるかな、また会おうね。追いかけっこさせてね。