7月19日。

めいちゃんがこの世を去ってから4年も経った。

パスワードを忘れたら、をペットの名前にしているから、聞かれるたびに思い出す。

子が生まれるとわかってから、ああ、ここに犬がいたらなあと思うことが度々ある。姪っ子とめいちゃんの関係は素晴らしいもので、彼女は自分のことをお姉ちゃんだと思い振る舞っていた。

家族に報告した後、ああいたらなあって思った。4年も経つけれど、いまだに思い出しては泣いてしまうことがあるし、犬を見るたびにまた会いたいなと思う。

最近は出産がやっぱり少し怖くて、もし、この世界に戻ってこれなかったらと考える時がある。そのとき、もしかしたらめいちゃんに会えるかもしれないけれど、まだだよ、って言ってほしい。

夢の中で会えたらうれしいな。

朝方起きた時、なんとなく彼女がそこにいるような気がした。

きっと一生犬を飼うことはもうないと思うから、私にとって最初で最後の家族だった彼女を、今でも私は大好きだ。

 

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」